「好きな人ができたから別れてほしい。」


そう伝えたのは紛れもない
私の大好きな人。


「わかった。」

そう一言だけ呟いて去ってく佑真。
返事も想像通りで結局恋人らしいことは
何一つできないまま終わった。



一年前、佑真の存在を知った。
背が高くすらっとしたモデル体型。
でも女の子は嫌いらしく
男の子としか話さないらしい。

告白するもみんな玉砕。

そう言うあたしも玉砕覚悟で告白した。

「佑真君が好きです!付き合ってください!」


下を向きながら返事を待つ。

「・・・。」

長い沈黙。
ああ、振られるんだな。
って覚悟したとき、予想外の返事が返ってきた。

「いーよ。」


「へ?」


自分でも間抜けな声がでたと思う。
でもこれが夢じゃないことは一瞬でわかった。


一気に近づいた顔。
唇に触れた柔らかいもの。
初めてのキス。


その時は幸せすぎて
ああ、もう死んでもいい。って
大袈裟に思ったほど。