ドアの前に立っていた涼介が
気づいたらあたしの目の前にきて
あたしを抱きしめている。
「涼介・・・?」
「いいわけねえだろ・・・。」
「え?」
上を見たら顔を真っ赤にして
今にも泣きそうな顔をしている涼介がいた。
「ごめん。お前笠松先輩が好きなんだよな?
でも、俺やっぱ・・・未愛が好きだよ。」
ほん・・・とに・・・?
「涼介ほんと?」
「ああ・・・。」
涼介の顔はいつもより真剣で
どこか辛そうな顔をしていた。
「ごめん。笠松先輩とはつきあわないよ。
あたしは涼介が好きだから。」
「・・・え?」
「涼介に意識してほしかったの。
あたしのことを幼なじみ以上に見てもらいたかった。
ひとりの女の子として。
だから笠松先輩に告白されたとき利用しようとおもったの。
どうしても涼介が好きだったから・・・。」
抱きしめる力はもっと強くなる。
「あほ・・・。
俺は昔からずっと未愛しか見てねえよ?
ごめんな。未愛が好きだよ。」

