依頼屋




会場に入るともうすでに沢山の人が集まっている


しかし、その中にリク王の姿はない


「ねぇ!あの方素敵!」


「まぁほんと!声かけてみようかしら」


彼はたちまち女性たちに囲まれる


予想していた私はそっとその側をはなれた





「こんばんはプリンセス、私はレイランと申します」


そう言って私の手の甲にキスをするのは


確かこの国の第一王子だ


悪寒が走るのを我慢し、挨拶を返す


「ごきげんよう、レイラン様


私はシルヴィアと申しますの


今日はよろしくお願いしますわ」


なるべく妖艶に微笑み、お辞儀をする


…貴族っぽいだろうか


こういった役はやったことがあるので一応大丈夫だとは思うけど…



「何とも素敵な女性だ


こっちへきて少し話をしないか?」


そう言われ、エスコートされて椅子に座る