あのドレスのお金は結局彼が全額払ってしまった
今は会場の下見をしに行く途中だ
せっかく朝は普段通りだったのにまた気まずくなってしまった
彼のせいだ
彼があんなことをするから…
「リゼリア、お前は初めてここに来た隣国の王女で俺の妻の設定だ
俺の名前はレオ・ハーネット
お前の名前はシルヴィア・ハーネットだ
奴らから聞き出せるだけ聞き出せ。」
「…了解」
こんなにすぐ仕事の話しができるあたり
あれは演技だったに違いない
会場に着くと裏の塀をいとも簡単にひょいと乗り越える
豪華な窓からは大きなシャンデリアの飾られたホールが見える
そこでせかせか動き回るメイドを見るとここが会場のようだ

