「はぁ…起きたくないなぁ…」
私達はあの後無言で宿に行き休養をとった
朝に弱いはずなのにこんなときにかぎってぱっちり目が冴えている
かといって彼に起こされるのも気まずいからいいのだが…
「目赤い…」
慣れないコンタクトをつけたせいか、泣いたせいかは分からないが目が充血していた
今日は夜会の日なのに…
夜までに治るかな…
私は緩めのズボンをはき、タンクトップを着てからいつものフード付のマントを羽織る
昨日渡されたコンタクトとウィッグをつけると、また彼の匂いがして心が苦しくなる
「リゼリア、行くぞ」
私は彼の声に重い足を引きずってドアへ向かった

