「わぁぁ!綺麗!!」
私達は塗り終わった壁を見ていた
壁は来た時と見違える程綺麗になっていたが私の心は曇ったままだ
「お姉ちゃん、お兄ちゃんありがとう!」
純粋な笑顔にまた心が痛む
「リュカ、帰ろう」
「ん…あぁ…」
私はリュカの手を握って出口に向かう
「ねぇ、お姉ちゃん待って!!」
ローズがパタパタとこちらに走ってくる
「これ!!」
そう言って見せたのは可愛らしい花だった
「さっきお外で見つけたの!お姉ちゃんにあげる!!」
いや…
やめて…
そんな目で見ないで…
私は…私は…
「…いらない!」
私は走った
行けるならどこか遠くへ行ってしまいたい気分だった
分かってる…
最低な事をしたって事くらい…
自分が手伝うって決めたのにあの子達を避けて…行動が矛盾してるって事くらい…
分かってるけど…

