依頼屋





…この男は急に何を言い出すのだろうか




「はぁ!?貴方バカにしてる!?」




「リュカ君、それはいくらなんでも無理だ。



一時間半の演目を後三時間半で覚えて完成させるのは玄人でも難しい」





「後三時間半もあるなら絶対大丈夫です」




にっこりと彼は微笑む




「一応これでも彼女はあの有名なメルディアナの団長の娘です」



「め…メルディアナ!!!」





メルディアナとはこの世で一番有名な一座の名前だ




「でもそれはじゅ…「とにかく、私達は依頼屋です。


頼まれた仕事は完璧にこなしましょう」






最悪だ…



そう、私は確かにメルディアナの団長の娘だった





…十年前までは






「…悪いけどそれはできない。先程も言った通り私は我が子が心配なのだ、



だから今日は中止に…「エリーナさんは、どう思います?」






「ここで一座の伝統を途切れさせることを望むつもりかい?」






ベッドに横たわるエリーナを覗きこみ、にやりと笑う




いつだって彼はそう


瞳に捕らえられた獲物は絶対に逃がさない