聞き覚えのある声に私はとっさに屈んで声がした方を見た そこにいたのはあの男の子だった 彼は私の背後から近づく敵を一撃で殺した 一瞬だけど私にはとても遅く見えた 美しかった 月と同じ色の黄金の目 暗闇と同じ色の漆黒の髪 彼は夜そのもののような気がした 「…お前、帰れ」 彼は冷たく言い放った 「…武器も持たず来るような中途半端な奴は足手まといだ 今すぐ帰れ」