「おーい、こっちだこっち」



筋肉質で焦げ茶色の肌に汗をかいた男が呼
びかける




「今行きますよ」




刺すような日差しが照りつける中、青年は
汗ひとつかかずに爽やかに笑う




「もう少し持てる」



長身の彼の少し後ろからフードを深く被っ

た少女もまた、木箱を抱えて言う




しかし、先ほどとは打って変わって彼は無

表情で黙々と先を歩いていった




無視された少女が少しふてくされている

と、いつの間にか目的地に着いていた



「いやぁ、お疲れお疲れ!ほれ、報酬だ。」



にかっと白い歯が見える

黒い肌に白い歯はとても浮いて見える




「ありがとうございました」




そう言って彼は報酬受け取ると、もう一度爽やかな笑顔を向け、去っていった