「入ってきた時
俺みてハル君って言ったの
聞こえてるけど?」
そう言って
にやって笑った
ばっ、バレてる・・・。
「ご、ごめんなさい!
青色のマフラーいつもつけてるし
降りるとこも一緒だから
つい・・・。」
「いや、別に怒ってねえよ。」
くっくっく・・・
ん?ハル君笑ってる?
「香奈、カラオケ抜けるぞ。」
グイッと手を引っ張られ
いきなり立たされたので
バランスを崩した
ギュッ・・・
「大丈夫か?」
耳元でボソッと呟かれた
初めて聞くハル君のあまい優しい声。
「う、うん・・・。」
「佑真、俺たち抜けるから。
金、置いてく。」
「ちょ、佑真!待て!!」
ユウマ君の止める声を無視し
ハル君はあたしの荷物と自分の荷物を
気づいたらもう持っていて
そのまま手をつなぎながらカラオケをあとにした。

