それから一週間後。
春菜が泣いていた理由が
少しわかった気がした。
・・・違う女を横に連れて
歩いている男を見かけたからだ。
春菜は?
お前は春菜の彼氏じゃないのか?
気になった俺は
少しだけその彼氏に近づいてみた。
そこで聞いた言葉を
俺は一生忘れないし
お前なんか・・・と
殴りたくなる衝動を必死に押さえた。
「あいつ、結構タイプだったし
付き合ってみたけど
全然やらせてくれなくってさー
お金も持ってねえし。
付き合った意味よ。
ま、最後に処女奪ってやったけどな?
でも、ごめんな?
お前になにか買ってあげようと思ったけど
金手には入んなかったわ。」
薄気味悪い笑顔
もう二度と春菜に近づくな。
俺があの子を守る。
・・・知り合いでもないくせに
俺はそう、心に誓った。
でも、話す機会もなく
話しかける勇気もなく
気づいたら1年。

