《太陽》
しほとの話も終え着替えを済まして
家に帰った。
お母さんは機嫌が悪いのか
無口なままでお姉ちゃんは帰っていない
はぁ〜居心地悪いなあ
それでも帰る場所はここしかなく
逃げる場所もないあたしはここへ
帰ることしかできない

喧嘩が起きその日の夜は泣いて寝るのが
日常茶飯事になっていた
明日は土曜日
部活だけでよかったと一安心して
眠りに落ちた。

朝アラームの音で起きゆっくり
支度をして学校へと自転車を漕いだ
部活の準備も終わりテニスコートへ向かう。
新しいメンバーに女子も増え
嬉しかった。
部活では顧問にしごかれ
落ち込んだりもしたけど部活が
終われば立場逆転でからかいまくる笑

部活も無事終え部室に向かう途中
隣に見知らぬ男の人
いや、新任の先生かもしれない
あたしは口を開いた

『初めまして!今年きた先生ですか?』

『お、初めまして♬俺は西 太陽』

『あたしは…』

『友成だろ?』

『…え?!』

『体育着に書いてある』

『あぁ。』

『俺の名前覚えとけよ?笑』

『記憶力はいいんで笑』

会話はここで終わり西先生は
部活の顧問とどこか歩いて行った
明るくて笑顔が可愛い
太陽って名前がマッチしてる
先生だな〜と思った

部室に戻り着替えを済まして
校舎にある自販機の前で男子と女子で
話すのが日課でもある
しほは彼氏である慎くん待ち

『しほ〜最近どう?』

『喧嘩ばっかだよ笑
でも良い感じではあるかな』

『そっか〜彼氏か〜』
そう呟くと後輩も話に加わり
『優羅先輩彼氏いないんですか?』

『うん、いないよ〜』

『えぇ、意外…』

“意外”や“遊んでそうなのに”と
言われることは沢山あり
慣れているけど少し違う意見が
ほしいと思うときもある

『こいつはバカでうるさいし
モテねーよ笑』
っと笑いながら頭を叩く平田くん
平田くんは同じテニス部で
男子の中では結構仲が良い男の子
あたしはあまり男の子と話すのが
好きじゃなくて逆に苦手意識をもって
いるから仲が良くても近寄られると
避けてしまう
平田くんはそんなのお構いなしだけど
笑顔が可愛く愛想が良い
最近彼女と別れて結構ひきづっている
みたいだけどそんな弱い姿も
見せない彼を心配したりもする

『さーて、そろそろ帰る?
なんだかんだ部活終わって3時間も
話し込んでるよ!』

部活が終わったのは13時で
なんだかんだ話をしたりしていると
時間は17時を指していた

『うん、帰ろっか』

男子と後輩は帰ってしまって
今いるのはしほと慎くん
3人で帰るのは邪魔者になりそうで
あたしは一人で帰ることにした