《過去》
高校生活が今日からスタートする
門をくぐってすぐにある大きな桜が
この学校の特色でもあるみたい
ワクワクと不安が混じる気持ちで
あたしは校舎へと踏み出した
初めての教室に初めてのクラスメイト
皆がソワソワしながら座っている

あたしは通っていた中学から
離れた高校にきたから友達も
見慣れた顔も誰一人としていない
でもそれが妙に嬉しかったんだ

まずは人間観察!!
あたしの席は廊下側から1列目の前から3番目!
前と後ろと左斜め後ろは女の子
左と左前は男の子だった
んー仲良くなれるかな?
左の男の子はとても明るそうで
パンダみたいな可愛い印象だった
左斜め後ろの女の子はとても
目がクリクリしていてモデルのような
スタイルの女の子で可愛い
んまー、楽しい生活送れればいーや
っと気楽に考えていた

入学式から数日経ったある日
同じクラスの菅野美沙と
話すようになった
試験の時に話したことがあり
話題が弾んだ。
それからあたしの席から
左斜め後ろのモデルのような女の子
佐藤みさきと仲良くなった
みさきとよく一緒にいた背の低い
女子力の塊!みたいな感じの
鈴野ゆりとも仲良くなった

移動するのもこの4人が当たり前になってきた頃あたし達は体育に向かうため
階段を降りていた
下から登ってきた1人の教師に
目が奪われた
特にかっこいいわけでもなく
どこを好きになったのか未だに
わからないけどのちのちあたしは
この教師が忘れられない存在になる

半年が経ち高校生活にも
慣れてきた時あたしには一つ
変化があった
そう、あの時一目惚れした教師
その先生の名前は 森川 晴
あたしはいつの間にか森川先生を
本気で好きになっていた
この事は美沙としほにしか言えなかった
“教師なんて叶わないから”
そう言われても良い
あたしと先生は廊下で会うたび
いろんな話をして仲良くなっていた

『先生〜おはよう!』

『おっおはよ!良い挨拶だね』

『へへ、でしょ?』

至って普通すぎる会話
これでも幸せだった
こんな生活から1年が経とうとしていた
そんな時あたしを悩ませる種が
また発生した