「兄貴とは、別れてるんだよね?」

「うん。私が振られたの。」



は?兄貴が…兄貴から振った?

あまりにそれは意外だった。


そこで、ひとつの不安ができた。


「…僕は兄貴の代用品?」


「そんなことない!」


あ、失敗したなって思った。
彼女は真剣に怒ってるように見えた。


僕は彼女の手を引いた。

「大事にするから。」


彼女は一瞬、綺麗な瞳を大きく見開いて、息を呑んだ。

「ありがとう。」

そして、とっても綺麗な笑顔で笑った。