え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎

「裕くん。」




突然、声が響いた。




振り返ると春華がいた。



外に目をやるとすっかり暗くなっていて、辺りには荻野たちや知らない顔の人もいなくなっていた。




「陽。すこし、裕くんかりるね?」


「ああ。」




兄貴はキッチンのすぐ側の壁に寄りかかっていた。



さっきは気づかなかったけど、目は泣きはらしたように腫れていた。



親父の姿はなかった。

隣の部屋で何やら話し声がする。



葬儀の話し合いか、それとも、親戚といったところか。