嬉しい……



裕くんはこんな私を選んでくれた。


ううん、本当は気づいていなかっただけで、最初から私のことを見てくれていた。



花火の音が鳴り止むと、ぞろぞろと足音や笑い声や話声が大きくなり始めた。


みんなこの神社を通り抜けて帰るのだろう。



「裕くん。」


「ん?」


「ーー私、お面が欲しい。」




もう一度、私に優しくお面被せて?

さっきの男たちの嫌な感触を消すような…


「裕くん、上書きして?」