「花火、見に行こ?」



ほら、こうやって、僕のTシャツの裾を掴んで僕を惑わす。



「うん。」



ろくなことできないし、ろくなこと言えない。


そわな僕だけど。



歩き出してすぐ、遠くで花火の音が聞こえた。


「あー、始まっちゃったね。」


ブワッと緑の光が僕らの近くで花を咲かす。





「ここからでも、綺麗に見えるんだね。」



「うん……屋台で何か買って食べながらここから見る?」