え、高嶺の花が僕の彼女⁉︎

気づいたのは玄関を出たときだった。


校門の近くに人がいた。



遠目から見てもわかる、陽だ。


陽はかっこいい。

さっきから練習している陸上部の子がチラチラ見ている。


私はそっと、校舎に戻り、一回の女子トイレに駆け込んだ。



陽の番号は電話帳から消してある。
でも、覚えるくらいかけていた。



コールすると2回で出た。


「もしもし。」

「あの……今、私の高校の前にいる?」

「怖いよね、ごめん。でもこうでもしないと会えないと思った。」


「……その場所目立つから、高校の裏の公園で待ってて。逃げたりしないから。」

私は電話を切ってふぅーと息を吐き出した。



どうして……



私は訳もわからないまま公園に向かった。