春華って呼ぶ裕くんの声があまりに綺麗で、切なくて。


胸の奥がきゅーってなって。

自分が自分じゃなくなっちゃうくらい心臓が早く動いて。


大好き……



「こんな気持ち、初めてなの。」



「今まで付き合ったのはもちろん、遊びじゃなかったし、その、陽も好きだと思ってた。」


「でも、逃したくない……とか。もっととか……そう思ったの初めてで。自分でもどうしたらいいか。わかんなくて……」







顔を上げると、麻里は少し、目を吊り上げていた。

「私、怒ってる。」