「春華、一緒に夏祭り行かない?」


「あ……」

夏祭り……



「実は、ね。」


私は麻里にこの前の体育祭のことを切り出した。


麻里は、場所、変える?と言って、私の手を取って屋上に移動した。


バンっ。


大きな音を立てて屋上の扉が開いた。



夏独特の入道雲が綺麗だ。



「私、本当は裕くんと付き合ってないんだ。あのあとすぐ別れたの。」


「えぇ!?」


流石に麻里もびっくりしたようだ。



「あ、あのね。裕くんのこと嫌いになったんじゃないの…あの、裕くんの大事なものを私が壊してることに気づいたっていうか。」