「午前の競技も終わったし、飯食い行こうぜ。」


「うん。っていうかどうせ今日そんな暑くもないから、ここでよくない?」

「そうだな。」


僕はコンビニの袋を取り出した。

中にはコンビニで買ったパンとおにぎり。


兄貴は中学のときまで運動会では必ずお弁当を作ってくれていた。


中学生なんかは自分で作れよって感じだけど、僕は料理に関してはホットケーキしかつくれないくらい(つまり包丁づかいが悪い)致命的だったし。

兄貴もなんだかんだ楽しんで作ってくれてたのを知っていた。


高校になって初めての体育祭。

僕のお昼がコンビニのパンっていうのは、多分、僕が高校生になったからじゃない。



兄貴と僕との間に初めてできてしまった溝。


この溝はどうやって、埋めたらいいのだろう。


そんなことを考えながら、僕はパンにかぶりついた。