僕が黙り込んでいると…


「よし、今日は歌うぞっ!弾くぞ!」


荻野が大きい声を上げ、機械を操作し始めた。


「ちょ、僕にも入れさせてよ!」

「はいはーい。あ、でも、相談乗ってあげた相談料ってことで、最初の三曲は私歌うからー。」


「そんなの、ありかよ……」


その日僕らは、高校生がカラオケに入れる時間フルまでいた。


このときの、荻野の気持ちなんて僕は知る由もなかった。


ただ、荻野のに甘えていた。