キーンコーンカーンコーン… 五時間目終了のチャイムがなる。 みんなはばたばたと帰りの支度を始める。 私はといえばだ。 「……………全くわからない…。」 数学って、暗号みたい。 何書いてるのか、私にはさっぱり。 「なに、お前わかんないの」 私と向かい合うように机によしかかり、 頬杖をつきながらそう言う慧。 「…馬鹿にしたいならすれば。」 もう馬鹿にされるのは慣れましたよ。 「え、なんだよ。」 「え?」 「教えてやろうと思ったのに。」 「え、本当に?」 え、優しい。慧が優しい。