やめた、というか
できない、と言った方が正しいだろう。


「結彩もしかして昔なんかあったりした?」

私の親友は、勘がいいらしい。

でも…

「いや、別にそういうわけじゃないけど。」

咄嗟に、嘘をつく。

「じゃあ、なんで。」
ハァっと、沙織がため息をつく。

「そんなに…恋、してないのって変かな。」

「結彩みたいなお子ちゃまには恋なんて
早いんじゃねー?」

そう、言って話に無理やり入ってきたのは、
家がとなりで、幼馴染みの
小川 慧(さとし)。

なんかある度にからかってくるんだよね。