「行きも帰りも必ず待ってるし、
誕生日とかバレンタインとか来る度
ケーキとか作ってきて、正直言って…」

…聞きたくない…
やだ、やだ。

私は耳を塞いだ。

「…重いんだよな…。」

耳を塞いだのに
間に合わなくて
聞こえちゃったよ。

「…っうっ…」
堪えていた涙が、ポタポタとーー

抑えたいのに、抑えきれなかった
私の心の中にあった"なにか"が

溢れ出して

止まらなくて

その場にしゃがみこんで
人目も気にせずに、泣いた。

「…うああああっ、っんっ」

溢れ出す涙で二人が見えなくなるくらい

涙が出なくなるまで、泣いた。