幸いそのことに誰も気づいていなくて。



だから俺はそれをいいことに痛みが増すだけの足でやり続けた。






『あの…大丈夫ですか?』




そろそろ限界だと感じた時に声をかけてきたのが、可愛いと有名な桜だった。




保健委員だった彼女が、俺の様子が変なことを気にしてくれてたらしい。






『いくらクラスのためだとはいえやり過ぎです!もう少し自分のことを考えてください』



媚びとか、そういうのじゃなくて。




ただ純粋に俺のことを心配してくれた彼女に、恋をした。