この日はとても天気が良かった。ちょうちょが空を舞っている。

美春は、外を眺めていた。







「お母さん…。外ってどんなの?」


「……外はね、とても明るくて楽しいばしょだよ。」


「そうなんだ。…」



ガラガラ



「失礼します。」


「あ、港さん。おはようございます。」


「おはようございます。」


「そう言えば、お仕事大丈夫なのかしら?」


「はい、今日は夜になるんで。」


「美春。おはよう。」


「おはようございます。港さん。」


「さっきね、美春が外ってどんなの?って聞いてきたんですよ。」


「そうなんですか、」


「港さん、外ってどんなのなんですか?」


「美春。外は、時には辛い時もあるけれど、時には素敵な出会いや
事があるんだよ。美春にはこの素敵な思いを伝えたらいいなぁ…」


「港さん…………。」


美春のお母さんは、とても辛そうに見つめている。

「そうなのですね。港さんは素敵な出会いをしたことはあるのですか?」


「………。もちろん。あるよ。」


美春のお母さんは、あまりにも港の辛さに病室を出ていった。


「そうなんですね、私もしてみたいです。」


「いつか絶対するよ。」


港は美春の病室を出た。


「大丈夫ですか??」


「っひっく…。すみません。港さんの方がお辛いのに…」


美春のお母さんは、ハンカチで涙を押さえている。


「いいえ。………あの。一昨日に美春にしてあげれること考えてたんですよ。そして思い付いたのですが、今までの思いでの場所につれていったり
写真を見せて何か思い出してくれないかな?と思ったんです。
さっき、美春。外のこと聞いてきたじゃないですか?
実際に何か自分で感じてもらった方がより伝わると思います。
そして笑顔でいてること。そうしないと、美春も心配させてしまうんで。
これが………僕に出来ることだと思います」


「…。そうですか。あなたが美春の相手で本当に良かったです…ありがとう。」


「僕も美春に会えて良かったと思ってます。」


美春…。


港は、美春との出会いを思い出した。


確か、、、、、あの時は、19歳だったっけ。