抱いた想いは切ないほどに苦しく、凶器と化した。 ただ純粋に好きだった。 幼い頃から育んだ想いは、汚れもせずまっすぐな想いだった。 ──それなのに。 信じがたい現実から目を逸らして耳を閉ざして。 逃げ惑い続けた。 本当は、本当は……薄々勘づいていたというのに。 同じ悲惨さでも、せめて状況が違っていれば。 もっと明るい未来が、待っていたのかもしれない。