アンドロイドと愛を学ぶ

ー福引きコーナーには行列ができていた。

箱を回して色の付いた玉をだすという、一世紀前から続いているアナグロ方式だからか、
時間がかかるんだろう。


30分近くまって、ようやく自分たちの番が回ってきた。

袖をまくってクジのとってを掴む。


「凪、気合い入りすぎだ」


「こういうのは気合いですべてが決まるのよ」


「運だと思うが」


「黙って。集中力が切れる」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」



「凪、回しすぎだ」



「今だ!」


「白……末等ですね。はい、ポケットティッシュになります」


「…………」


「残念だったな」



「ぽ、ポケットティッシュ欲しかったし」


「そうか、よかったな」


「も。もう一枚あるからそれにかけよう!琥珀、頑張って!」


「む?俺が?凪はやらないのか?」


「ちょっと気合い入れすぎて一気に力が抜けた」


「福引きごときで情けないぞ」


受付の人にチケットを渡して、琥珀がくじの前にたつ。

「いっぱい回すのよ」


「確率は変わらんぞ」





ーーーー…………





「えっ?青色?」


「三等おめでとうございます~~!」


「三等……!わっ、ラバーズランドのペアチケット……!」


「やるじゃん琥珀!」


「……俺は四等が良かった」


「四等?…あぁ、お買い物券か」



「食費を浮かせようと思ったのだが……」



「でも三等の方がすごいよ……!私はこっちの方が嬉しい!」


「そうか?それならいいか…」


「もーホント琥珀最高!!」


「おっ!?」


「ありがとう!ありがとう!!」



「凪、落ち着け。抱きつくな。すごい注目をされているぞ」


「えっ……」



「あの……次の方がお待ちですので、お出口の方に……」


「わっ、す、すみませんでした……!」