仲のいい女の子にはスノーボールを作って、可愛くラッピングした。 皆の反応も上々。 そろそろ林君を迎えに行こうかな、なんて席を立った瞬間。 「おー、立花!チョコくんね?」 いきなり話しかけてきて、最後から二つ目の袋を奪ったのはクラスの男子。 比較的、仲のいいやつだ。 「なにー?一個も貰えなかったの?」 からかうように言ってやる。 「一個はあるよ、義理チョコだけど。なぁ、だから可哀想な俺に一個恵んで?」 掌を合わせて頼む彼。なんだか可哀想だ。 「しっかたないなー。味わって食べたまえ」