今だって目の前の彼に触れたくてたまらない。 柔らかそうな黒髪に手を伸ばし、引っ込める。 私が触れるなんて烏滸がましい。 ああ、でも!吸い寄せられるように彼の髪に手を伸ば…そうとしたとき。 ガシッと手首を捕まれた。 えっと、、 「は、林君?」 安眠を妨害されて不機嫌そうな林君が私を見つめている。 ちなみに手を掴んでるのも林君である。 「なに、しようとしたの?」 私の目をみつめ、言い放った彼の言葉にボボボッと頬が赤くなる。 「え、えへへ。ついつい林君にさわりたくなっちゃった」