大嫌いなアイツの彼女になりました。







 全ての席を念入りにチェックした従業員さん達は笑顔で、

「それでは皆さん、良い旅をーーっ」


「「Let’s Go!!」」


 その後、ビーッと大きな音が鳴りコースターがゆっくりと動き始める。




「うおお!楽しみだぁ」


 望月相馬はハイテンションで席の上で少し跳ねる。

 するとあたしの所にも少し振動が来て、あたしの恐怖心は更に増した。


 ガタンガタンと揺れながら上がっていく。

 あたしのドキドキも上がっていく。


 そして一番前の列が上りきった瞬間、ものすごいスピードで急降下をする。




「キャアアアアッ」


「うおおおっ」


 思い思いの声が上がる。

 あたし達が落ちる時にはもう、すごいスピードがついていて。



「わあああああ!!」

 隣で望月相馬が両手をレバーから離し、楽しそうに叫ぶ。


 あたしはそんな声を聴きながら、レバーをぎゅっと力を込めて握り下を向いて目を瞑った。




 ドクドクドク………

 胸の音だけが、妙に大きく響いた。