いつ買ったのか聞きたかったしお金も払わなくちゃいけないんだけど、望月相馬はそのまま歩き出したからついて行くしかなかった。
強引で勝手だけど、あたし以上に浮かれる望月相馬を見たら、なんだか不思議と嬉しくなった・・・
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「うっわぁ、混んでるね」
「すごいな、そんな人気だなんて知らなかった」
電車に乗って揺られること1時間。
少し長い時間だったけど、望月相馬の話は止まらなくてあっという間に目的地の駅に着いた。
あたしはよくあんな面白いネタ持ってるなって、話を聞きながら少し感心していた。
そして気分も上がったまま遊園地に着いたら、この混雑。
開園前ってこともあるんだろうけど入り口には長い列が出来ていて、遊園地の中すら見えない。
特に有名な遊園地でもないのに、なんでだろう。
そう不思議に思いながら必死に園内を覗き込んでいると、いきなり望月相馬に右手を握られた。
そのことに驚いたあたしは、すぐに視線を望月相馬へと移す。
どうしたらいいか分からず目をパチパチさせていると、望月相馬はあたしの顔を見て無邪気な笑みを作る。



