大嫌いなアイツの彼女になりました。






「純香ちゃんの誕生日?知らねえ」


「あっそ………明日だよ」


「ええっ!明日!?」


 相馬は本当に何も知らなかったんだろう。

 大袈裟なくらいの声の大きさと動作を見せた。



「うん。で、お前にお誘い」


「俺にお誘い?」


「明日はバイトで無理だから、日曜日デートしようってさ。」


 俺は腕を組む。


「それ、純香ちゃんが言ってたの?」


「うん。なんか、自分から誘うのが恥ずかしいんだって」

 俺がそう言ってふふっと笑うと、相馬は何故か俺を睨みながら顔を近づけてきた。


 そして何か言いたげな顔で、

「ふぅーん……」

 と言った。


 そのどっちつかずな態度が気に食わなくて俺は、

「なに?」


「なんでお前にそんなこと頼んだの?純香ちゃん」


「知らねえよ。俺、純香ちゃんじゃないし。」


 なんだ、ただの嫉妬か。

 なんて、少し呆れる。



「ってか、なんで純香ちゃんって呼んでるの?」


「別にいいじゃん。嫉妬野郎は嫌われるぞ」