大嫌いなアイツの彼女になりました。








「…………。」


「…………。」


 それから、お互い無言の状態が続く。

 多分あたしだけだろうけど、凄く気まずい。


 でも、復讐のためだ!

 あたしは気合を入れてから、中川くんの顔を見る。



「あのっ」


「ん?なに?」


 中川くんはすぐあたしに顔を向け、少し首を傾げた。



「……あ、のね…中川くんに、お願いがあるの」


「俺に?どんな?」


 恥ずかしくて少し俯いたあたしだけど、すぐに顔を上げて、

「……相馬くんに、言ってほしいことがあって」


「相馬に?」


「うん、えっと……」


 あたしは両手をぎゅっと握り合って勇気を振り絞る。



「あたしね、明日誕生日なんだ。でもその日はバイトで……だから、日曜にデートしたいなって」


「うん」


「でも自分から誘うのは恥ずかしいから……相馬くんと仲が良い中川くんに言ってもらいたいのっ」


 そこまで言うとあたしは思い切り顔を下げた。


 そして、恥ずかしかったぁなんて、ドクドクと早く脈を打つ胸を押さえていると、

「……純香ちゃん、可愛いね」