大嫌いなアイツの彼女になりました。








 だけどあたしはどうしたらいいのか分からず、挨拶を返すこともせずにただ固まったように動かなかった。


 だって、こんなタイムリーなことある?



 中川くんはそんなあたしを不思議そうに見つめながら、

「ん?入んないの?」

 と聞いた。


 あたしはそれを聞くとハッと我に返って、

「あ、は、入ります!」

 中に入ろうと教室のドアを開ける。


 そしてあたしが教室に入ると、

「何故に敬語?」

 なんて言いながら、中川くんもあたしに続いて教室に入った。










 そしてほぼ同時に席に着き、それぞれ鞄から荷物を取り出していく。


 ただあたしは、中川くんをチラチラ見ながら準備をしていた。

 いつ話そうかと考えていたからだ。


 でも、中々タイミングが掴めない……。


 なんて思いながら中川くんを見つめていると、そんなあたしに気付いたのか、中川くんが話しかけてくる。



「どうかした?俺、なんか変?」


「え!?…あ、いや……」


 ヤバいっ!と思ったあたしは中川くんから思い切り顔を背けた。

 そしてその行為に、明らかに不自然だったなとまた後悔する。