大嫌いなアイツの彼女になりました。









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 次の日、あたしは朝から教室の前でそわそわしていた。


 だって、中川くんに頼まなくてはいけないから。


 昨日中川くんに誕生日デートのことを望月相馬に言ってもらうという計画を立てたものの、実際に頼むことになるとやっぱり気が引ける。


 中川くんは優しくていい人だけど、だからと言っていきなり頼み事をするなんて迷惑かもしれない。

 馴れ馴れしいって思われるかもしれない。


 だけど一番は、いくらあたしと望月相馬が付き合っているのを知っているからって今までほとんど喋ったことがなかった人にこんなことを頼むのは恥ずかしいっていう理由かな。








「……なにしてるの?こんなところで」


 そう考え込んでいると後ろから声を掛けられ、あたしは振り返った。



「え?………わぁ!」

 そしてあたしの後ろにいる人を見ると驚いて後ずさる。


「え、そんなに驚く?」

 その人は軽く笑いながら、右耳に着けていたイヤホンを外した。



 昨日と同じくニコニコ笑う彼とは違い、驚き過ぎて頭が混乱しているあたしは大声で、

「な、中川くん!」


「おはよう、純香ちゃん」

 中川くんは何故か楽しそうに笑った。