「だってさ、恥ずかしくない?誕生日デートして!なんて言うの」


 あたしは床を見つめた。


 その言葉を聞いたみおは、声を荒げる。

「ハア!?そんなこと言ってるようじゃ、復讐なんて夢のまた夢よ!」


「わ、分かってるけど……」


 でも恥ずかしいんだもん……なんて、怒っているみおには言えなくて。

 あたしはもっと下を向いて、両手に力を込めた。



「……じゃあ、望月相馬の友達にでも頼めばいいじゃない。「誘ってるって言って欲しい」って」


「そ、そんなこと……!」


 みおの完全に投げやりな案に、あたしはバッと顔を上げて反論しようとする。

 でも、その時頭の中にある考えが浮かんで、開けていた口を閉じた。


 みおはそんなあたしを不思議に思ったのか、あたしの方を向いた。



「……?どうしたの、純香」


「………そっか」


「は?」


「いい考えじゃん!そうしよう!!」


 あたしは訳が分からないと言っているような顔をしているみおの手をぎゅっと握る。



「……え?い、今の適当に言っただけなんだけど」


「うん、だと思った!」


 あたしがそう言って微笑むと、みおは戸惑いながらも、

「本当にする気?望月相馬の友達なんて、ヤンキーばっかじゃないの?」


「うん、そうだと思う」