みおはそう言うと、再びソファに腰かけた。




「ねえ、どうしたらいい?」


「そうね、まずは甘々なデートをすること!」


「でも、前のデートも出来る限り頑張ったけど、効いた感じしないよ」


 そう、この前のデートでもドキッとするようなことをしてみた。

 だけど、望月相馬に効いたのは最後のハグくらい。


 望月相馬からしたら、あたしのしていることはカップルなら当たり前のこと。

 だから、それほど効果がないのかもしれない。



「うーん……じゃあやっぱり、特別なデートをするしかないね」


「特別なデート?」


「そう。ほら、純香もうすぐ誕生日じゃん」


「…あ、そうだった」


 みおの言葉で、もうすぐ誕生日だったことを思い出す。

 9月10日が誕生日だから、あと2日か。



「その日、望月相馬をデートに誘ってみたら?誕生日デートってだけで特別感あるし、色々ラブハプありそうじゃん」


「それいいかも!……あ、でもその日バイト入ってる」


 ちらっと部屋に飾ってあるカレンダーを確認すると、確かに10日の所にバイトと書かれている。



「じゃあさ、週末にしたら?ほら、日曜空いてるじゃん」


 みおがそう言ってカレンダーを指差した。

 あたしもカレンダーをもう一度見ると、「本当だ」と頷いた。


「……でも、なんか誕生日デート誘うの嫌だなぁ」


「は?どうして?」