「…………。」
だから、だからもう……。
「もう、あたしに構わな……」
「無理だよ。」
望月相馬はあたしの言葉を遮る。
その言葉に驚いて、あたしは望月相馬を見る。
望月相馬はあたしをただ真っ直ぐ見つめていた。
「っ………」
「純香ちゃんは俺のこと、あんな小さなことで純香ちゃんを嫌いになるような、小さな男だとでも思ってるの?」
「えっ……?」
望月相馬はそう言うと、目を丸くさせるあたしの両手首を持って、壁に押し付けた。
「わっ……」
望月相馬の顔がとても近くて、顔が熱くなる。
「な、何……?離してっ……」
「ごめんね、純香ちゃん。もう純香ちゃんの嫌がることはしないって約束したのに……」
「はっ……?」
いつか、望月相馬とした約束。
観覧車の中でした、小さな約束。
今更になって、何を言っているの?
そう不思議に思った瞬間、望月相馬の顔が更に近付いてきて……。
「ひゃっ………」



