大嫌いなアイツの彼女になりました。








 そういう純粋な反応が、大嫌いなの。


 あたし、あんなに酷いこと言ったのに。

 今だって、別れたばっかだって言うのに元カレの友達とデートしてたんだよ?


 沢山望月相馬を傷つけているのに、こんなに汚いあたしなのに、いつも変わらず優しく包もうとしてくれるから、大嫌いなんだ。

 本当は、傷ついているくせに。

 本当は、怒鳴りたいくせに。

 どうしていつも、純粋な瞳で優しい言葉をかけてくれるの?



「あんたのことなんて、大嫌いっ!」


「……っ」

 あたしは叫ぶ。



「なのに、なのにっ……」

 あたしは拳を握りしめた。



 どうしてあたしから離れてくれないの?

 そんなんだから、また期待しちゃう。


 望月相馬の優しさに、甘えちゃう自分がいるんだよ。

 ずっと望月相馬と一緒にいたいって、思っちゃうんだよ。


 あたしの目から涙が零れる。



「…っ……放っておいてよ、もう」

 涙をポロポロ零すあたしを、望月相馬は心配そうに見つめていた。


 だから、どうして心配してくれるの?

 どこまで、どこまでお人好しなのよ。



「あたしはっ……復讐するためにあんたと付き合ったの!だから、気持ちなんて一つも無かったの!!」