でも、本当は分かっていた。
純香ちゃんと俺はやっぱり遠い世界で生きているってこと。
でも、それでも、信じたかったんだ。
どこかに、純香ちゃんと俺の世界を繋ぐ橋があるんじゃないかって。
……けど、それはどこにも無かったようだ。
「……あの時、気持ちが無くなっちゃえばよかったのに」
純香ちゃんが山口達に連れて行かれた時、俺が止めなかったことにも理由がある。
それはもちろん、相馬と純香ちゃんの関係が崩れてしまえばいいって思ったからだ。
二人が良い感じになっていて、ただでさえモヤモヤしている俺の心はもっとモヤモヤしていた。
そんな時に、山口が純香ちゃんを呼び出す?
丁度良いって思った。
何かしらのハプニングが起こることくらい、予想できたから。
二人が別れるかもしれない。
二人の気持ちが離れるかもしれない。
そんな期待があった。
そんな俺は、世界一の卑怯者。
それくらい、分かっていた。
それでも良かった。
二人が別れてくれれば……って。
けど、気持ちが離れなかったのだから、意味なんて無かったんだ。
どこまで強い絆だよ……ったく。
「どうせ、俺の入る場所なんて最初からなかったんだよ」
分かってた。
最初から、全部。
けど、どうしても諦めきれなかったんだよな。
叶わない恋ほど燃えるってヤツかな?



