「………はぁ」
ジュースをコップに注ぎながら小さなため息を吐く。
……なんでだろう。
少しでも気を緩めたら、また望月相馬のことばかり考えてしまう。
でも、中川くんに比べたら望月相馬なんて……。
望月相馬なんて…………。
そう思う程に辛くなるのは、どうして?
ほんの少し鼻の奥がツンとして、あたしは俯く。
それでも何とか気持ちを切り替えたあたしは、コップ片手に再びカラオケルームに向かった。
カラオケルームの前でもう一度ため息を吐くと、あたしはドアを開ける。
中川くんはもう歌い終わっていたようで、あたしを見るなり笑顔になる。
あたしも必死に笑顔を作った。
「ごめんね、お待たせ。……さっ、次は何歌おっかなぁー!」
あたしは手に持っていたコップを机に置くと、リモコンに手を伸ばす。
……でも、
「あ、待って」
あたしの隣に座っていた中川くんが、リモコンに伸ばしていたあたしの手首を持って、それを阻止する。



