草陰から次々と相馬くんといつも一緒にいる男子らが出てきた。



「……お、お前ら!なんでいるんだよっ」


「いやー、マジでいい賭けになったわ」


 一人の男子がそう言って、はははっと笑った。


 その言葉を聞いた瞬間、あたしの中で何かが崩れて行った。




 か、け?


 それって、つまり……

 あたしへの告白は、嘘ってこと?



 さっきまで温かった涙が、冷たい涙として目から落ちた。


 ……また、期待しちゃった。

 あんなにいじめられたのに、どうして信じたんだろう?


 でもね、あたし……告白されて、本当に嬉しかったんだよ?




「ちょ、マジで見てたの?」


「そりゃあ、まあね」


「マジで面白かったわ」



 男子らの会話を他人事のように聴きながら、ずっと相馬くんを見つめる。




「…………大嫌い」

 自然と出たその言葉。



 その気持ちは誰にも届いていなくて、なんだか無性にムカついたあたしは、

「あんたなんて、だいっきらい!!」

 と、大声で叫んだ。