「…………え?」

 あたしは驚いて、一瞬思考が止まったような気がした。




「……俺、上手く伝えられなくて、今まで色々意地悪しちゃったけど……好き、でした」

 相馬くんの言葉は、少し震えていて緊張しているようだった。



「嘘………」


 ふと思い出した、仲が良かった頃の甘酸っぱい気持ち。


 あたし、あの時多分、相馬くんのことが好きだった。

 でも、急に距離が遠くなっちゃって、胸の奥にしまい込んでしまったんだ。


 今、そのことに気付いてしまった。

 だからか、全身に鳥肌が立って、それを追うように体全体が熱くなっていく。



「……もし良かったら、付き合ってほしい」

 恥ずかしそうにそう言った相馬くんは、へへっと笑った。


 それは、なんだか見覚えのある懐かしい笑顔。

 ああ、やっと戻ってきてくれた。


 嬉しくなったあたしは、潤む瞳でニコッと笑った。



「………うん」


 そう、頷いた時だった。








「ほらー!やっぱそうだと思ったんだよっ!!」


「嘘だろー、絶対断ると思ってたーー!」


「はーい、ゆう、ジュース奢りな!」