それでも、放課後あたしは誰もいない校庭に行った。


 予想通り、そこにはリフティングをしながらあたしを待っている相馬くんがいた。




「……ど、どうしたの?」

 戸惑い気味にそう声をかけると、相馬くんはリフティングを止めてあたしの方を向いた。


 そして相馬くんは「よう」と言いながら、サッカーボールをポンッと蹴って右手でそれを受け取り脇腹と腕で挟んだ。



「……ちょっとさ、話があって」

 相馬くんは恥ずかしそうに髪を掻く。



「う、うん……何?」


「……明日、終業式じゃん?六年は同じクラスになれるか分かんねえし……」

 相馬くんは少し視線を落とす。


 あたし的には、もう同じクラスになりたくないんだけどね……。



「だから俺、言いたくて……」

 相馬くんはぐっと唇を噛み締める。




 そして、決意したように顔を上げると、


「ずっと、好きだった。」


 って、言ったんだ。