駄目だっ!
そんなのいけないっ!!
「ストップですっ!!」
「っ!? はいっ!!」
大声の私に驚いて、森野さんは直立不動で停止した。
「……もう無理しなくていいの。そういうのは、いつか好きな人に頑張ってください。さっきは口が滑りました。ごめんなさい。私は、この距離でいいんです」
本当に? ……でも、
「近づかないって、約束しました。最後くらい守らせてください」
これくらいは、守れる私でいたい。
「でも、プレゼントはありがたく頂戴したいと思います。――そこから投げてください」
もう、森野さんは動こうとはしないでいてくれた。わがままを約束という言葉に置き換えてかざす私を否定せずにいてくれ、頷いてくれる。
そうして、プレゼントは弧を描き、私の元へとやってきた。
「――開けても、構いませんか?」
「はいっ。どうぞ」



