「……はぁ~い……」


不承不承の、頷きと声。


「なんだ? そのぶすっとした顔は」


「べっつに~」


不服さを隠さない表情で僕を見据えたまま、伊達さんはメニューを手に取り、オーダーを済ませる。いつもより所作が荒々しいのは、暴れ足りないといった様子だ。


まるで、蛇と蛙のようになってしまった伊達さんと僕を見兼ねて、健人がよく分からない助け舟を出してくれた。


――うやむやに、その場の空気は和んだものとなる。


「千花には無理なんだな、これが。透に必要なのは“新人類”だ」


「なるほど」


「――、……」


……健人の言葉の意味が理解出来ない。


伊達さんも、何がなるほどなのか……。