だって、こんなに嬉しい進歩もあったものだから、つい……。
私が図書館へ通う理由を信じてもらえてから、少しだけ――ほんの少しだけど、森野さんの纏う空気が和らいでいったみたいに感じる。
当然。……だとは思っちゃいけないけど。
けど、私は冷静に振る舞い、決して今より近くへは行かない。
時折昂る感情は奥底にしまい込み、気づかせたりなんかしない。
だから、安心してくれたところもあるんだと、自負も、する。
森野さん自身も、女性不信をどうにかしたいと心底思っているみたいで、最近は会話も交わす。
幸せすぎる日々が、ずうっと続いていってくれればいいと願う。
そんなこと無理、だとも……。
だから先は考えない。
今感じられる、充分すぎる幸せに感謝をしよう。
ひとつ、考えなきゃいけないことは、まだ、迷ってる。
……、いつ……。



