コトノハの園で



言い出したらきりがないってこういうことなのねってくらい、知ることのできた全てに心惹かれるようになるのに、時間はさして必要なかった。


もしかして、裏の顔もあるんじゃ……?


疑ったりもしたけど、結果、杞憂だということで、私はもっと参ってしまった。





見ているだけでいい。


もっと知りたい。


気持ちは、いつからか揺れていた。





私が通う大学で森野さんを見かけた時は本当に驚いた。


教授室へ入っていくのを尾行して、科を専攻する友達から事情を訊き出した。


図書館での職の傍ら、教授の研究の手伝いをしているらしく――ちなみに、ここでの評判も悪いものじゃなかった。


知ってからは、学内でも森野さんの姿を捜すようになってしまっていた。





私は、森野さんをたくさん見つめたけど、森野さんの瞳が、私を捉えてくれることはなかった。


……いや。違うかもしれない。


私だけじゃない。


可能な限り、人と接触しないように心がけてる……?


そう感じ始めてた、ある日のこと――